仕事を探すインドネシアの女の子の話

昨夜、たまたま顔を合わせた、別のユニットのハウスキーパーの女の子に、シンガポールでの仕事を紹介してくれないか、と相談をされた。ハラルで安全な仕事を探しているらしい。歌の上手な（日中、お掃除しながら歌声を響かせてる）可愛らしい子だ。

私たちは日本から来ていて、シンガポール人ではないんだよ、相談に乗れなくてごめんね、と返事をした。一応、WAを交換しておいた。

シンガポールに行って仕事を探すつもりらしいが、初めて行くので不安、とのこと。「安全か？」と聞かれて、少し答えに詰まった。
シンガポールはとても安全なところだけど、彼女のような子が仕事を探しに行く場所が安全なところとは言い切れないと思ったから。

そもそもバタムに住んでいて、どうしてシンガポールに行くのが初めてなんだろう…。
シンガポールに行こうとしているのだからさすがにパスポートは持っているのだろうけど、そんなにハードルが高いことなのかな。フェリー代も彼女らにとっては大金だろうけど、一度も行ったことがないというのはやっぱり不思議。

そういえば、英語も流ちょうに話せる子がバタムで下働きをしていることがままあって、それもちょっと不思議に思っている。話を聞くと、バタム出身ではなく、スマトラから働きに来ている。英語が話せるならシンガポールで働けば良いのに、と思うのだけどなぜなんだろう。
今度、インドネシア人の友だちに聞いてみよう。

インドネシアは暖かい国なので餓死することはないけど、より良い生活をするためにはやっぱり仕事は必要。みんな、仕事を探してる。
仕事に就くためにはコネが一番重要らしくて、コネが無ければお金を使うらしい。
厳しい世界だ…。私は人付き合いが得意じゃないので、聞いていてツラい気持ちになる。

仕事の紹介については、ほかのインドネシア人からも一度相談を受けたことがあって、どうにかしてあげたい、とそのときも思った。駐在妻の先輩にこのことを話すと、「ひとりを助けると、ほかの人も頼ってくるから、特別扱いしてはダメ」と諭された。
本当にその通りで、『自分の目の届く範囲で、自分の支援できる範囲で、責任を負うことなく、誰かを助けたい』なんて、偽善が過ぎるよね。考えの浅い自分が恥ずかしい。

でも、自分は少しお金に余裕があって、近くにはお金に困ってるひとがいて（ただしお金に困っているのはそのひとだけではない）、そんなとき私ができることってなんだろう。
自分が納得できる答えはまだ見つからないです。

『この件は持ち帰って、社内で検討させていただきます』